日本人の国民病とも言われる肩こり。いくらマッサージをしても、シップを貼っても治らないという方。実は肩こりの原因は、目の形と深い関係があることを知っていますか?ひとえの方、年齢とともにまぶたが下がってきたと感じている方は必見。「眼瞼下垂(がんけんかすい)」と呼ばれる症状かもしれません。放っておくとうつ病にまで発展してしまうと言われているこの症状。意外な解決法をご紹介します。
私たちが日頃無意識に行っているまぶたの開け閉め。この運動は、眉毛とまぶたの間にある筋肉上眼瞼挙筋が伸び縮みをすることで行われています。この筋肉の先端がまぶたの皮膚の裏にある板状の組織瞼板とくっついて、まぶたが開いたりしまったりしているのです。この結びつきが弱まってしまい、まぶたが開けづらくなってくるのが、「眼瞼下垂」と呼ばれる症状です。
この症状は、加齢による筋肉の衰えや、または(女性が)日々のアイメイクやクレンジングで眼をよくこすることも原因になります。
つまり、誰にでも起こりうることなのです。
でもだからといって目が開かなくなってしまったら困りますよね。
そんなときにまぶたの開け閉めをサポートしてくれるのが、ミュラー筋という筋肉です。
しかしこのミュラー筋は、動くたびに交感神経を刺激するため、肩や背中の筋肉を緊張させます。さらに顔の筋肉や、後頭部の筋肉とも連動し、それらの筋肉をもこわばらせます。
これが、肩こりや頭痛の原因の一つとなっているのです。
ひとえの人の多くに発達している靭帯があります。それは、まつげの上を水平に走る下位横走靭帯。この靭帯が発達すればするほど、まぶたは開けにくくなるのです。
そこで、先ほどのミューラー筋が活躍します。ひとえまぶたの開閉をサポートしてくれるのです。
つまり、ふたえまぶたに比べ、ひとえまぶたの人のほうがこのミューラー筋がたくさん働かなければいけないことがわかりますね。その分、顔や肩の筋肉がこわばり、肩こりになりやすいというわけです。
また、自分が肩こりになりやすいかどうか、鏡の前でできる実験があります。
顔を動かさずに、視線を正面から上に何度か動かしてみてください。まゆげも同時に動いた人は、肩こりになりやすい人です。ひとえの人は、まゆげの位置も同時に動く人の割合が多いはずです。これは、まぶたを開けるために、額の筋肉までサポートに入っているからです。
ちなみにふたえの人は、視線を上げ下げしても眉毛の位置が変わりにくいとされています。
額の筋肉はあごの筋肉ともつながり、さらには肩の後ろの僧帽筋ともつながっているため、肩こりにつながってしまうのです。
現在、この眼瞼下垂の症状を改善する手術も行われています。ですが、まぶたに注射を打つときの痛みや、術後に合併症を引き起こすリスクがあるため、まだまだハードルが高いと言えるでしょう。もっと手軽に、症状を緩和する方法。それは、ふたえメイク用品を使うことです。
ふたえまぶたの人は、まぶたを開けると皮膚がふたえの線で折りたたまれるため、眉毛を持ち上げてまぶたを開ける必要がありません。
だから、ふたえまぶたを人工的に作ってしまえばいいのです。
もしくは、マスカラやビューラー*でまつげをカールさせることも、まぶたの皮膚を持ち上げる支えになる可能性があるので効果的と言われています。
美容情報に敏感な人は、髪の毛の生え際にテープを貼ってたるみを隠すという方法を聞いたことがあるかもしれません。これも同様に、眼の周りの筋肉をサポートし、肩こりの緩和につながると考えられています。
*(R)岡本和久
かわいくなりたい、若々しく見せたいという人のために売られているふたえメイク用品が、肩こりの緩和にもきくかもしれないなんて嬉しいですよね。ふたえまぶたになってミューラー筋の動きをおさえると、交感神経への刺激も少なくなるため、不眠解消にも効果があると言われています。薬局で1000円弱から手に入るふたえメイク用品。ぜひ試してみてください。
参考(松尾清. まぶたで健康革命,2008, 17-77)